目次
- 新苗とは
- 新苗の魅力と手に入る時期
- 管理の仕方と気を付けるべきポイント
新苗とは
春になると出回り始める3-4号の小さなポットに植え付けされた1年目のバラ苗。
接ぎ木苗やさし木苗で流通していますが、当店の新苗は台木に芽を入れた成長の早い接ぎ木苗のみを販売しています。芽の入れ方によって芽接ぎや切り接ぎという方法がありますが、ここでは詳しくは説明しません。
大苗と違い入手時の苗の形状の差が少なく、みな揃ってスタートといった感じでしょう。もし生育に差があったとしても成長のスピードが早いので、すぐに追いついてきますので、心配はいりません。
苗のサイズの割に立派なラベルや、大苗と同じ形状の鉢をそのまま小さくした鉢など、なんともかわいらしい赤ちゃん苗です。
新苗の魅力と手に入る時期
新苗の一番の魅力は、成長の過程を楽しめることでしょう。小さな苗ですが、日々、成長が実感でき、育てていって大きくなった時の感動はひとしおです。
ほかにも、樹形や樹高を剪定することにより自身の好みに仕立てられること、作り込めることも魅力です。
また、大苗と比較し、手に届きやすい価格で販売されていること、新品種や過去の品種が入手しやすいことも新苗を選ぶ理由になるでしょう。
販売時期はその冬の寒さにも影響を受けますが、だいたい3月末頃から並び始めます。4月になると品種が揃い、それ以降はあまり増えません。そして、梅雨が明け暑くなってくると売り場からは姿を消します。ですので、新苗が手に入る時期は4・5・6月限定となります。
当店では例年3/1より新苗の予約販売を開始し、4月以降順次入荷に合わせてお客様にお届けしています。予約販売ではブランドローズのほか、クラシカルなノンパテ品種をお手頃価格で幅広く販売しています。

4月温室に並んだ新苗
小さな鉢が可愛いブランドローズ
初期生育に差があっても心配はいりません
管理の仕方と気を付けるべきポイント
鉢植えで育てる場合は根を崩さずに6-7号のポットに植え替えをしましょう。この作業は手に入れてから真っ先に行うと生育期を逃しません。
ポイントとしては、最初からあまり大きな鉢に入れないことです。大きな鉢だと水分のコントロールが難しくなってしまいます。それは鉢底に水が残りがちになることによって根の伸長が悪くなってしまうためです。
また、露地植えすることもおすすめです。この場合、最低気温が5℃を下回らないようになったらそのタイミングです。あまり早すぎると葉が黄色くなり落葉してしまうので、一時的に成長が悪くなってしまいます。
鉢増し・植え付け後はどんどん新芽が吹いてくることと思います。苗の高さは5枚葉上あたりでバッサリと切ってしまいましょう。株元で芽を吹かせたければ上の方で動いた芽をピンチしていくと芽が吹きやすいです。
成長の過程では、新苗といえども蕾は上がって花も付くことでしょう。その際、開花にエネルギーを多く使うので株が小さいうちは成長を優先すると今後のために良いです。どうするかというと、蕾があがったらそれをピンチ(摘む)すること。そうすることにより株の成長が促され、葉や枝が増えるので、秋以降に多くの花を楽しめます。ただ、順調に育ってさえいれば、花確認の意味を込めて、いくつか花を楽しんでも問題はありません。
手をかけた分、大きくなってたくさん花を付けた時の感動は、新苗から育て上げた人のみが味わえる感動です。愛着もより一層深まります。是非この時期は新苗も楽しんでもらえると嬉しいです。